現場で地耐力を調べるのに用いられる平板載荷試験ですが、設計に使用する地盤反力度との関係等をまとめます。
どんな試験
直径300mm以上で円形の載荷板を地盤に設置して、ジャッキを用いて載荷をする。ジャッキと地盤の間には荷重計と変位計等があり、荷重と変位量の時刻歴を計測する試験。
試験目的によって載荷パターンや荷重持続時間を変える。
平板載荷試験でわかること
・極限支持力度(kN/m2)
・地盤反力係数
載荷パターン
・段階式載荷
地盤の支持特性を求める場合に用いる。
・段階式繰返し載荷
地盤の支持特性を求める場合に用いる。
・単調繰返し載荷
地盤の変形特性を求める場合に用いる。
・最大荷重の繰返し載荷
地盤の変形特性を求める場合に用いる。
・持続荷重の載荷
地盤の変形特性、特にクリープ特性を求める場合に用いる。
持続荷重の載荷時間は数時間程度(クリープ試験)。
結果の利用(支持特性)
・地盤反力係数k
沈下量を横軸、地盤反力度(圧力)を縦軸にとったときのグラフの傾き。
・極限支持力(kN)
荷重をかけていくと最終的に地盤が破壊し、荷重が増加することなく変位が増加する状態となる。この時の支持できる最大の荷重が極限支持力(極限支持力=極限支持力度/A(面積))。
なお、極限支持力度は「地耐力」「支持力」「地盤反力度」「荷重強さ」等で表現される場合もある。
・許容支持力度
極限支持力度を安全率で割った値。
(常時)極限支持力度/3
(地震時)極限支持力度/2
結果の利用(変形特性)
・変形係数
・クリープ率
まとめ
平板載荷試験は原位置試験の一種で、設計に必要な極限支持力,地盤反力係数等をを調べることができる。
また、極限支持力に安全率をかけることで地盤の許容支持力を算出できる。
〈参考文献〉
(公社)地盤工学会:地盤調査の方法と解説
(公社)地盤工学会:わかりやすい構造物基礎
(公社)日本道路協会:道路橋示方書・同解説Ⅳ下部構造編(H29.11)